2024


1月 大分

 
 ニホウサンショウウオの調査に同行させて頂く。

ニホウは宇佐市の指定保護種なので許可がないと捕獲できない。
昨年度に運良く1匹だけ見つけたが、触れることができないので
体長を計測したり、腹部の観察などもできなかっったので非常に有難い。

ニホウを研究している永野先生に案内して頂いた。
数人の研究者らと待ち合わせていた時間は昼だったが、交通の都合で朝に到着した
私と西川氏で先にオオイタサンショウウオの産卵状況などを見に行く。
上画像はオオイタの♂

 
 去年以上に全然水がねぇ。大丈夫かいなこの場所...
 
 僅かな湧水の溜りに産んでる
 
 観察中の西川氏

 
 ニホウサンショウウオ♂

永野先生に生息地を案内して頂いたが残念ながら1匹も見つからなかった。
産卵行動は雨量に大きな影響を受けるようで、まとまった雨がないと初春では
産卵行動が始まらないようだ。
しかし、永野先生が管理している個体を持ってきて頂いていたので
雌雄差や全長体長など、じっくりと観察することができた。
大変お世話になりました。


   
 骨チームが近くで化石の調査をしているので見に行く。
初めて発掘作業をやってみたけど面白いねえ!
現存しているオオサンショウウオとは違う系統のオオサンショウウオがいたようで
更に大型で気水域棲の細長い種だったらしい。ロマンあんね。
この時は魚の歯や植物などの化石を見ることができた。

骨チームと夜は酒盛りしたけど、俺以外、みなさん日本の最高学歴みたいな連中なのに
アホみたいな話で盛り上がって楽しい。

3月 愛媛

 
 
ゲイヨサンショウウオが生息しているのは今治市と基準産地の大崎上島だが
大崎上島は2か所からしか見つかっておらず、1か所は♂が見つかっただけで
産卵は確認されていない。保護指定はされていないが、そんな場所に行く気がしない。
人が行くだけで雑菌の持ち込みや環境の悪化など影響があるかもしれないからだ。
そんな場所は本職以外は行くべきじゃないだろうというのが私の考え。

今治市では保護種で捕獲しての撮影はできないが、まぁ夜どおし張り込めば
姿ぐらいは拝めるだろうと思い、今治市へ向かう。

卵は隠蔽的でなく、オープンに産むのですぐ分かった。
成体も息継ぎに現れるので見ることはできた。
ただ予想通り成体のマトモな撮影は難しい。夜しかチャンスはないと
張り込みして観察していると、近くに車が停まった。

あれ?誰か来るね。保護種だから通報されて環境局の人とか着ちゃったかな?

「誰?」声をかけてきたのは今治市で唯一ゲイヨの捕獲許可を持っている
藤原さんという方だった。カスミが細分類されたときに論文にお名前があったのを
記憶している。色々お話させて頂き、なんと調査捕獲の際に成体のちゃんとした
画像も撮らせて頂けた。なんという僥倖よ!

しかも今治市に点在する複数の繁殖地に同行させて頂き、今治市の生息状況を
だいぶ勉強させて頂けた!いやもう最高。本当に有難うございます!
ただ、今治市がゲイヨの主産地なのに2,3地点以外は絶望的だ...。

離農が進んで水の管理がされなくなって水がない。
今からでも浚渫などで回復できるんじゃないかなと感じたけど、人手も予算も
ないのだろう。私も手伝いたいが遠すぎる。市がもう少しなんとかしてくんないかなぁ。

3月 岡山

 
 今治からバスで福山へ戻る。

福山でSNSで知り合ったゴビファームさんと待ち合わせ。
彼の地元の笠岡でセトウチサンショウウオを探す約束をしていたのだ。

下見や検索など色々と段取りまでして頂いて有難うございます。
サンショウウオについては素人ながらアユモドキの保全に精力活動されていた方だから
話が深い。ご自宅にもお呼ばれして有尾ルームも見させて頂く。
私は他人の飼育環境を見るのが初めてだ。地元の人気ラーメン店にも連れて行って頂く。
うまいなぁ。しかも安い。ほんと地方でラーメン食うと東京のラーメンって高いばっかで
不味いなぁと毎度思う。

気温5℃、水温6℃と粉雪舞う日だったけど雌個体が水中で待機していた。
付近にいそうな場所も多かったけど限定的だね。止水性種ってそんなもんだ。
人が見て良さそうな場所じゃないことの方が多い。


3月滋賀

 
 
 東京へ戻る前に京都で降りて滋賀のヒダの様子を見に行く。

ヒダは地域で色々と変異があって面白いなぁ~。
春になるとついその美しい姿と青く光る卵嚢を見たくなってしまう。
まぁほとんど群青色っぽい個体群もいるわけだが、それはそれで良い。

3月 広島

 
 アキサンショウウオからヒロシマサンショウウオなる種が分類された。

主に東広島市に分布しているが、東広島市ではアキサンショウウオのころから
保護指定されてiいるので、東広島市以外の場所を探すしかまともな記録写真を撮ることが
できないので探すのに苦労した。

ようやく見つける事は出来たが、習性や外見はほぼほぼアキと同じに感じた。
産卵は隠蔽的でまとまっておらず、点々と続く。
一通り観察して生態もなんとなく把握したので再訪はないかな。
保護地域外が少なすぎる。

 
 茶色っぽい個体が多い中、地衣状斑紋が多い個体も一部みられる。
アキサンショウウオも同様だ。雌個体に多い。

   
 卵と産卵環境
染み出しを好むのもアキと同じ。

 
 おしくも水に入る前に産み落とされちゃった卵嚢。
飼育下ではよく見るけど野外でもあるんだな。
増水時に産んで水が引いたわけではなさそうな場所。

   
 死屍累々の谷

ヒロシマを探して谷という谷をめぐるわけだが、谷の入口に車止めて出たらなんかくっせ!
罠が置いてあって餌が臭えのかなと思って歩いてたんだけど、なんかヤバイ匂いが
充満してるし、上空は凄い数のカラスが飛んでる。
周りの枯れ木には猛禽の姿も結構確認する事ができる。

前方でなんか哺乳類が死んでんなぁ...と思ったら死んでる鹿や猪がゴロゴロしてんじゃん!
よくみると白骨が無数。イメージとしては普通に地獄。
たぶん猟や罠にかかった鹿とかを放置してる場所なんだろう。
鹿の背中の良い肉だけ切り取られて捨ててある。
これ熊も来てんじゃないかなぁ。

サンショウウオは見つからないし不気味過ぎて谷の先まで行かなかったけど、
反対側を廻った時に地図を見たら谷の先と山間集落の最後の家の距離は300mぐらいしか
なかったぞ?スラム街で暮らすぐらい怖ええよ!
 
 白骨の山から一部を並べてみた。地獄感が増すだろ笑?

 
 移動して別場所へ。

どうせなら流水性も見たいと思ったけど700mラインぐらいから
スタッドレスじゃ無理な雪で諦めた。

450m付近で何かサンショウウオの孵化後の卵。
ヒバかと現地では思ったけど、分布と産卵期を考えるとイワミかな。

3月 宮城

 
 イモリ仲間の春ちゃんの職場にトウホクサンショウウオがいるというので
案内して頂く。

トウホクサンショウウオが細分類されている論文が発表されているが
自分の目でなるべく多くの分布地を見ておきたい。
私は遺伝子が少し違うよだけではあまり納得できない性質だ。
なにか生態的な違いや傾向を見出したい。
10年飼育すると最大全長に違いが出る等でもいい。

論文からするとこの場所はセンザンサンショウウオということになるが
案内して頂いて数個体見た限りでは他のトウホクやバンエツと違いは見いだせないなぁ。

 
 
 卵嚢の条線もトウホク同様に存在する。形も差異は感じない

 
 案内してくれた春ちゃん。

忙しい中、車も出して頂いてありがとう。
移転先でまたサンショウウオ見つけたら見に行くので宜しくね。

家に見学に来たのが20才で6年ぶりに会ったらしい。
お母さんにも会ったことがあるので年齢を聞いたら私と同い年で
「娘じゃん!」「娘です!}とジェレレーションギャップに動揺を隠せない。

全く関係ないけど近くの美味しいと評判のラーメン屋で昼食をご一緒する。
確かにピリ辛で美味しいけど、なんとこのラーメン屋、喫煙者に感謝の張り紙を
入口に張ってある。喫煙者の納税で新しい道ができました~等と書かれている。
最初なんか嫌味なのかと勘ぐったけどマジらしい。大きな灰皿が置いてある。
今時珍しいけどタバコの税収は年間2兆円だ。
廃止になったら1家庭で年間6千円ぐらい取られるかもしれないね。


4月 広島

 
 昨年のリベンジでナンヨサンショウウオを見に行こうと予定を組んでいた。
今回は地形図なども入念に1年かけて調べたので外す事はないだろうフフフ....

出発の2日前に震度6の地震が来た。
分布地点は震源地から数kmしか離れてない。終わった。
現地に電話して道路状況を聞こうにも直近すぎて分かる訳もないし
こんな時に連絡するのは人として終わってる。
泣く泣く全てキャンセルの連絡だけは入れるがレンタカー会社には繋がらなかった。
ホテルは有事なのでキャンセル料は免除してくれたが
飛行機代はダイレクトにくらった。泣く泣く諦めた上に無駄に4万近く失う。死にたい。  

しかしこの無念に黙って過ごせる私ではない。
行き先を急遽広島の未開拓の場所とし、すぐさまぴあイチ氏に同行する気あるか聞く。
即答で「行きます!」との事だったので急遽広島へ新幹線で向かう。

荷物も宇和島に送ってしまったので何もない。
新規で装備買い出しじゃ。

 
 広島では普通に見れるハコネ。
 
数を減らしてるように感じるヒバ

   
 たぶん昨年の降雪時から誰も通行してないんだろうな。
崩落ぶりが酷い。もう少し廻りたかった地域だったけどなぁ。
しかし、見たかった地域がある程度見れたので無念は晴れたのだ。


6月 北九州

 
 いのちの旅博物館で爬虫両生類展の開催が決まり
有尾類の生体展示の協力を受ける。

前回は発送したものの、やや着状態が落ちたのと
今回は違う目的もあったのでハンドピックで小倉へと向かう。

いの旅の恐竜などの通常展示はいつ来ても迫力ある。
レプリカも含め、このサイズでおいくら万円なんですか~?とかもついでに聞いてしまう。

ミュージアムショップに爬虫両生類雑誌「caudata」を置いて頂いてるので
ご挨拶もさせて頂く。

 
 
 
いの旅に生体を預けて山田緑地で、魚部の川原さんと待ち合わせをする。

以前見た北九州のコガタブチが熊本あたりのコガタブチと体型バランスや
体色がやや違うように感じていたので確認したかった。

川原さんにお願いして3か所ほど廻り同行させて頂き、多数の個体と
環境を勉強させて頂いた。

結果としては私の思い違いかな。体色は尾部は熊本の方がクリーム色に近いものの
体型はさほど変わらなかった。
それよりも生息環境が面白いなぁと思った。
沢沿いの斜面なのは同じだが標高が低すぎる。
マホロバなども低いが標高でいえばセトウチやトウキョウと変わらない。
寒冷地でもないのに、こんなに低い場所で適応できるんだなぁ。
熊本で見てきた個体は1000mを超えたベッコウなどと混生している。
いやぁ勉強になりました。凄い!

 
 タカチホヘビも見つかる。この地点では初確認らしい。
近くにタカチホのアルビノが保管されてたようで見に行きますか?という話もあったが
時間はサンショウウオに使いたいのでパスした。

そもそも全ての種にアルビノはいるし、どちらかと言うと種として典型的な
個体に惹かれる。体色には歴史と理由があるからだ。

6月 伊豆

 
 少し通おうと思ってる伊豆のハコネサンショウウオ

昨年は11月に行ったので今年は5月ごろと思っていたけど誘っていた
ピッコロ氏と都合が合わず6月になってしまった。
まぁ幼生はいるからと考えていたけどとんでもない成果に....

 
 11月に50匹ほど幼生を確認していたけど、源頭部は枯れ沢だった。
6月はおそらく源頭部にも水があるだろうけど、幼生はいないだろうと考えていた。
予想は的中し、いなかったのだけど、源流部どころか沢全体のどこにもいねー!

正確に言えば昨年見た場所でいきなり10cmを超える幼生が見つかった。
関東だと変態サイズは8cm前後かと思っているのでだいぶ大きい。
関東では見たことがない幼生サイズだ。
関西では最大13cmをはじめ、10cm以上の幼生は何度か見ている。

どうせ沢山いるし捕獲もせずにデカいのいるな~程度で一時捕獲もしなかったが
その後探せど全くいない。
ハコネは下流へ降りて変態時に上流を目指す。ならば下流かと考え、車で移動し
下流部から探す。でもいねえ笑。
幼生期間が3年と長い種だから幼生がいない事はない。
伏流水か?関西では幼生も見つからないのに成体が見つかって初めて生息が確認できた
場所もある。さっきのデカい幼生もそうだが、伊豆では体色が関西のような赤色が知られている。

なんか...パターンが関西(特に紀伊半島)のハコネみたいじゃない?
面白いね。しばらく通ってみる。
ちなみに幼生はそのあと6cm程度の2匹のみが見つかる。
開けた平瀬の水深3cm程度の水際だった。水温10℃。

8月 千葉

 
 
 夏に有尾を探しに行くことはないんだけれど、家族12人で夏休みに千葉の海岸で
バーベキューやったり海水浴を楽しんだりしてパリピのように3日間過ごした。

その中で一人、海方面ではなく、背後の山を睨み続けてる奴がいる。
次男マサオだ。
このくそ暑い中、ここぞとばかリに一人で朝夕夜中と裏の山へ歩いて繰り出し
水生昆虫を探し続けている。あんなとこに水あんのかよ...?と私でも思うのだが
何時間も歩き回って水場を探してくる根性は凄まじい。
こっちは夜間に猪などに鉢合わさないか心配で仕方ない。

2日目ぐらいにマサオからイモリいたよ。と言われてスマホの画像見たら
ブゥッ!!なんだこれ?クソデカいじゃん!
そういえば房総の一部のイモリは馬鹿デカいんだった。

さっそく私もマサオの案内で発見場所へ向かう(車で)。
すごい狭い範囲でしか見つからなかったが6匹と幼生を確認。
しかし凄いデカさだな~。太さも太く、尾も短い個体群だ。
ほとんどサメハダイモリと大きさも太さも変わんねーぞ。
スケール持ってきてないから測定できなかったのが悔やまれる。
こんな希少なの採集できるはずもなく、全てリリースし、マサオは更にどこかへ
探索の旅へと歩いて行った。
夜に帰ってきて良い湿地を見つけたらしく、目的のタイコウチやミズカマキリ、ガムシ、
なんとかゲンゴロウなどを見つけて満面の笑みだった。
我が子ながら凄ぇなその水昆だけに向けられる根性は...と思った。



11月 伊豆

 

 
 再度11月に伊豆のハコネを見てみる。

学生の時の妹分に30年ぶりに再会したんだけど、この現場から割と近い所に住んでいて
サンショウウオ見たことないから見たいというので一緒に同行した。

まず例によって源頭部に水がない。だいぶ下ってから探索したけれど、全然見つからない。
うーん...6月に見つからないのは分かるけど何でだ?
昨年はたまたま爆沸きだったんだろうか?水温も10℃と変わりはない
ただ上流に上がるにつれ、幼生がボチボチと見つかるようになった。
やっぱり源頭部へ向かって行ってるよな。
10cmを超えるような幼生はおらず、最大でも6cmぐらいで最上流部では1年目ぐらいの
小さい幼生が数匹見つかった。私は捕獲できたのは1匹だけだったが7、8匹は目視で確認。
妹分は全然見つけられないで最後の伏流水出口でようやく見つけて捕獲して観察していた。
見つかって良かった笑。自力で見つけられたら嬉しいもんね。

 
 沢に降りる前に源頭部で見つけた亜成体。SV14cm。

ようやく変態した個体を見れたけど、この個体6月に見かけたデカい幼生だったやつじゃないかな?
6月に捕獲して画像撮っとけば良かったと後悔。
まだ続けて観察に行く必要あるな。


12月 沖縄

 

 
 25年ぶりに沖縄本島でイモリの観察をする。

イボイモリが2種に分化してオキナワイボとアマミイボになったけど
オキナワイボの画像が昔のクソみたいな画像しかなかったから撮りなおしたい。

まずは南部地域でオキナワシリケンを観察する。
いやぁイモリの観察なんてほんと久しぶりだ。
サンショウウオと違って地獄絵図じゃないのが楽しいねぇ!
丘陵の水溜り覗けば見つかるんだから。
あわよくば南部のイボイモリも...と夜間全く目が見えないのを頑張って
夜間観察するも流石に見つからない。
ただシリケンは沢山見つかるので、水辺に座り込んで2時間ぐらい見入ってしまう。
知っていたけど沖縄って12月でも蚊がいるんだよ。纏わりついてうっとおしい~。


 
 
 
 
 
 
体色も様々なシリケン達。

北部よりも南部の個体群の方がいわゆる金箔が綺麗な個体が見つかる傾向があるんだけど、ツボカビに感染してる個体の割合が凄い高いんだよね。なので私は垣花ひーじゃーとか有名な場所には行かない。昔の100分の1まで減少してると聞くし、90%を超える罹患率は外産飼育種に感染すると大惨事になりかねないからだ。

 
 求愛中の個体

イボイモリも見に行ったけど、触らずに撮影することが容易なんでtweetに載せたらとんでもなく怒られてしまった。なのでここにも載せない。長靴消毒や動かした石などはすぐ元に戻して個体や環境への負担を極力かけてないつもりだったけど(石自体5個ぐらいしか動かしてないんだけどね。探す方法が違うし重いからw)、真似して見に行く人が多くなると何するか分からないし、石の下にイボがいたら重要文化財の現状の変更にあたるのかもしれないとの事。まぁ皆さんは夜に歩いてるのを探してください。久しぶりに激怒して暴言吐いてtweetもやめてしまったけど、関連する方々にはご迷惑おかけしました。

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